(続)爪切り注意!2008-10-01 Wed 02:37
(続)爪切り注意!
・・もしかしたらこれは仕返しのつもりなんだろうか。 サスケは困った顔でナルトを見下ろした。 真剣そのものの顔で、左手では自分の右足を掴んで、 右手では爪切りを握って固唾を呑んでから約30分ちょっと。 この間ずっと正座のナルトはその体勢のまま動かずに固まっていたのだ。 爪切りくらい、さっさとやっちゃって欲しい。 このままナルトに足をずっと見詰められるのもいい加減恥ずかしくなってきた。 「おい、ウスラトンカチ、やらんなら自分で切る。それを出せ。」 「・・いや、オレがやるってばよ!!」 先からずっと繰り返した会話だ。 もう何度目なのか数えるのも情けなくて止めた。 考えてみれば、いつものようにサスケの部屋に押し入ったナルトを無視して、 サスケが爪を切り始めたのが切っ掛けなら切っ掛けかもしれない。 実はこの前、ナルトの爪が長いと怒ったばかりなのに、 その後ちょっと色々あって、つい自分の爪を切るのを忘れていたのだ。 カチカチと左手、右手の順に切り終えて、足の方へと爪切りを持って行った時、 いきなりナルトに邪魔された。 「な、なぁ、サスケ、足はオレにやらせてよ。」 「…何で?」 「自分で足の爪切るのは不便だろ?だからオレが切ってやるってばよ!」 「お前にそんな気遣いができるなんて、今まで知らなかったぞ。」 「えー?知らなかったって心外だってばよ。 いつもサスケにはこんなにも気遣っているのに〜!」 「そう?ならアポ無しでいきなり人んちに入り込むのがお前の言う気遣いか?ああ?」 「・・・・・・ごめんなさい。」 「・・もういい。大人しくいれば別に構わない。」 「・・・・わかったってばよ…」 しゅんとして一歩下がったと思ったら、それは大間違いだった。 ナルトの粘り強さを見下したオレが馬鹿だったのだ。 「…でもよ、サスケ、やっぱ爪切りはやらせてよ。」 「はぁ?今何か言った?」 「この前、サスケに切ってもらったじゃん。そのお礼がまだだったし…」 「…血が出たとかなんとかでわんわんうるさかったくせに、よく言うな。」 「あ、あれは痛かった!オレは絶対あんなへまはしないってばよ!」 「爪切りが下手だと散々泣き付いてきたのはどこのどいつだ!」 「自分で自分のを切るのと人のを切ってあげるのは違うってばよ! 美容師だって自分で髪切るより人に切ってもらう方が良いに決まってるじゃん! そんなもんなんだってばよ!」 ナルトにしては妙に説得力がある例えに サスケはついうんうんと頷いてしまった。 そして、その隙を見逃さずニヤニヤしながら近づいて来た ナルトに爪切りを捕られてしまい、冒頭に戻る。 「おい、ウスラトンカチ!もういい加減…!」 「えいっ、やってやるってばよ!男ナルト、行きますっ!!」 とうとう堪忍袋の緒が切れそうになったサスケが ナルトから爪切りを取り返そうと手を伸ばしたのと、 やっと意を決めてナルトがサスケの右足の親指に 爪切りを当てたのはほぼ同時に起きた。 「ィ、痛ってー!このウスラトンカチ!何してやがる!」 「うわっ、ごめん、ごめんだってばよ!」 またもや流血事態。 サスケの右足の親指から赤い血がポタポタと流れ落ちた。 「…誰がヘマしないって?」 「…いや、これは…だってサスケがいきなり動いたから…」 「言い訳無用。…千鳥!」 パチチと蒼白い稲妻がサスケの左手を纏い始めた。 ナルトに向かってその手を伸ばそうとした瞬間、 サスケはビクッと一瞬体を震ってからそのまま固まってしまった。 ナルトがすかさず血が出たサスケの親指を口に含んだのだ。 ヌルッとして暖かいものが痛みを訴える親指を優しく舐める。 その感触に背中に電流が流れるような錯覚に陥る。 丹念に舐め回されて軽く吸い上げられ、何故か気持ち良い。 認めたくは無いが、いやらしい気持ちになってしまう。 止めさせれば良いのに、何だかこのままもうちょっとして欲しいと思う自分に驚く。 チュルッと音まで出しながら口を離して、ナルトは上目使いでサスケを見上げた。 「…もう痛くない?」 痛みは少し引いたけど、何だかイラッときたので、わざとぶっきら棒に言い放つ。 ・・・いつしか千鳥は消えていた。 「…痛い。退け。」 「そんな〜じゃ、もう一回だってばよ!」 「や、止めろ、バカ…わ、っわわわ!」 またあのヌルッとした感触が襲って来る。 駄目だ。抵抗しろ、自分! 何で動かないんだ、オレの体の意気地無し! ナルトの舌が親指をねっとりとしゃぶり回す。 頭の中が朦朧として、あの感触に流されそうになる。 ナルトの手がどんどん脚を辿って上がって行くのを感じる。 が、体がまったく動かないのだ。 とうとう、ナルトの手が太ももの内側まで辿りついた。 このままなら本気でやばい。 今辛うじて残っている全ての理性をかき集めて、体に鞭を入れた。 動け、動くのだ!うちはサスケ! このままやられるわけにはいかないだろうが! 「…い、いい加減、退けろっつーんだ、この変態野郎!」 ナルトに捕まってない左足で彼を蹴り飛ばす。 蹴られた所がよくなかったのか、 ナルトはぶっ飛ばされたまま気を失ってしまった。 少し、可哀想な気がしないのでもないが、ここは鬼に成り切ろう。 今はオレの身の方が大事なのだ。 「・・・今度ばかりはかなり危なかったぞ…。 オレにも心の準備というもんが要るだろうが、このウスラトンカチ!」 いつか、この体を彼にあげる時は来るだろう。 でも、まだまだやらせるつもりは全然ない。 覚悟はしていても、怖いのは怖いし、痛いのは嫌なのだ。 サスケはひとつため息をついてから、救急医療箱を取り出す為、起き上がった。 勿論、気絶したナルトの事はきれいさっぱり無視すると決め込んだのは言うまでも無い。 ・・・余談だが、その後、残念ながらサスケの親指の怪我は ナルトの時のようにすぐには治らなかった。 見事に腫れ上がって膿んでしまった親指のおかげで、 サスケは願ってもなかった休暇を満喫する事になった。 歩く度、突き刺さるような痛みに歯を食い縛って耐えながら サスケがナルトを暫く徹底に無視し続けたのはまた別の話である。 - end 後書き え、と・・・前回よりは甘くないです。ごめんなさい。 (でも、前回より色気は入れました。・・・私なりにね。) ・・・しかし、本当に「注意」シリーズ化になりましたね・・・(苦笑) もう短編のカテゴリーではなくシリーズ物にするべきでしょうか・・ 実はですね、ミクシィーのナルサスコミューの「ナルサス甘味合戦」トピックに この話の前作を投下したら、その続きがみたいと仰って下さった方がいらして、 つい図に乗ってしまったわけです。(笑)←煽ててくれたら何でもするタイプ;; ・・何気なく「注意シリーズ(笑)」は繋がっているようなものですので、 この続きはこの話でどうぞ!^^; それにしても、このツンデレちゃんのサスケは書いてて楽しいな! あのシリーズでめそめそなサスケに飽きた所でしたので、 良い気分転換になります。 以下、いつものような個人的な愚痴でございます。ごめんなさい。 スルーして構いません。(むしろスルー推薦です・・・) |





